とうとう日本に上陸していることが発見された「ヒアリ」。連日のようにニュースで名前を聞きます。
そのヒアリの駆除対策として話題になっているのが、天敵である通称”ゾンビバエ”と呼ばれるハエによる方法です。いったい”ゾンビバエ”とは何なのか?気になったのでちょっと調べてみました。
◎ヒアリとは
テレビニュースで毎日のように流れていますが、一応おさらいとして…
ヒアリは、学名をSolenopsis invictaと言い、invictaはラテン語で無敵とか攻略不可能と言う意味をもちます。英語では、red imported fire antと言います。
本来の生息地は、ブラジル・アマゾンのジャングルです。
特徴は、強いアゴとお尻?の先の針で刺し、毒を注入することです。
毒の強さはスズメバチと同程度もあり、しかもスズメバチなどと違い、刺しても針が取れないので何度も刺すことができます。
とにかく攻撃的で、新たな土地で生息している在来のアリや生物を駆逐してしまいます。また小さな家畜を殺してしまったり、農作物も駄目にしてしまいます。さらに電気機器に入り込み、システムに異常をきたしたり、火事を起こすこともあるそうです。
アマゾンが本来の生息地なので、熱さに強いのは想像がつきますが、マイナス10度の寒さでも耐えられると言うことで厄介ですね…名前の通り、まさに無敵です。
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◎どのように生息域を拡大?
20世紀の初めに、アメリカ南部アラバマ州の港に上陸したとされていて、船に積まれた土の中にヒアリが潜んでいたと考えられています。
そして数十年をかけて、テキサス州などアメリカ南部全体へ生息域を拡大していき、
その後、2000年代に入り船で、オーストラリアや中国、フィリピンなどアジア諸国へ広がっていきました。
やっぱり、人間によって拡大していったということですね…。
当時、アマゾンに生息している危険外来種が、他にもたくさんいたため、ヒアリの存在はそれほど危険視されていなかったそうです。
また、アマゾンの中で、ヒアリの生息域は全域ではなく、限られた一部分だけに生息が確認されているようで、
それだけアマゾンという場所は、生き物にとって生存競争が厳しいところなんですね。
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◎ゾンビバエとは
通称”ゾンビバエ”と呼ばれるハエは、ヒアリと同じアマゾンなど熱い地域に生息しているノミバエの1種です。
このハエは、”生きたヒアリにだけ”卵を産みつける習性があります。
腹部に曲がったトゲのような突起物があり、大きさはヒアリに比べて何分の一ほどの小さなハエですが、狙ったヒアリの背中に飛びつき、トゲを刺して一瞬のうちに卵を産みつけます。
ここからが恐ろしいです^^;
まず、卵はヒアリのカラダの中で孵化して、幼虫になります。
そして幼虫は、ヒアリの体液をすって成長していきます。
その後、幼虫は約2週間をかけてヒアリの頭部へ向かってゆっくりと移動していきます。
ヒアリは卵を産みつけられてから、幼虫が頭部へ移動している間も、ヒアリの行動は特に異常はみられません。
頭部へ到達した幼虫は、今度はヒアリの脳を食べていきます。
そして最後に、幼虫は酵素を分泌してヒアリの首を落としてしまいます。
その後、ヒアリの頭部を殻のように破り、成長したハエが出てきます。
引用:caricaricari10より
卵を産みつけられてからの数週間、ヒアリはすでに死が決定し何もなすすべもなく、ハエにコントロールされていて、生きながらにして死んでいる状態なので、ゾンビみたいと言うことで”ゾンビバエ”と付けられたようです。
ただ、ゾンビ状態なのはヒアリの方なので…ちょっと分かりにくいですね^^;
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◎ゾンビバエで駆除ができるの?
ゾンビバエを使ったヒアリを駆除する方法の一つとして、
まず、すでにゾンビバエの卵を産みつけられたヒアリを巣に戻します。
数週間後に、成虫のゾンビバエが誕生します。
ゾンビバエは、1匹の体内に卵がおよそ200個あり、それを次々にヒアリに産みつけていきます。そして成虫になったゾンビバエがまたヒアリに卵を産みつけ…を繰り返していきます。
専門家はゾンビバエの駆除方法のメリットとして、
・ゾンビバエがヒアリに次々と卵を産み、自然に数が増えていくので、それほど管理が大変ではないこと。
・ゾンビバエは、ヒアリにしか卵を産まないので、ヒアリが減少すれば、卵を産めなくなったゾンビバエも減っていくため、ゾンビバエだけが逆に増えてしまうことはない、と。
逆にデメリットとしては、
ヒアリの繁殖能力が高いため、広範囲での駆除は難しいと考えられています。
ゾンビバエがヒアリにしか卵を産まないとしても、本当に在来種の生き物たちに影響はないのか?不安はありますね…。
◎おわりに、
ヒアリの天敵”ゾンビバエ”について、ちょっと調べてみました。
毎日、どこどこの港で、今度はヒアリの卵が見つかったとか女王アリが見つかったなど次々と情報が出てきて怖いですね…。
アカカミアリとか言うのもでてきたし…。
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